CLI (コマンドライン)
`@crowi/cli` でターミナルから wiki を検索・読み取り・作成・編集する
@crowi/cli は、ターミナルから Crowi を操作するためのエンドユーザー向けの
コマンドラインツールです。npm i -g @crowi/cli で配布され、crowi という
名前で使えます。HTTP だけで wiki にアクセスし (DB には触れません)、OAuth で
あなた自身として ページの検索 / 読み取り / 作成 / 編集を行います。
運用者向けの admin-cli とは別物です
@crowi/cli (crowi) はエンドユーザーが自分の権限で HTTP 経由に使う
ツールです。MongoDB に直結して運用作業を行う @crowi/admin-cli
(crowi-admin) とは役割が異なります。
インストール
# グローバルインストール
npm i -g @crowi/cli
crowi --version
# 単発実行 (インストール不要)
npx @crowi/cli --helpNode.js 18 以上が必要です。
認証
crowi は public OAuth クライアントで、PKCE を使います (クライアント
シークレットはありません)。トークンは ~/.config/crowi/contexts.json
($XDG_CONFIG_HOME を尊重) に ファイルモード 0600 の JSON として保存
されます。
ログインの宛先 URL には、接続先 Crowi の公開オリジン (OAuth issuer。 通常は web を配信しているホスト) を指定します。3 つのフローがあります。
# 1. ブラウザ認可コード + PKCE (ローカルループバックにリダイレクト)
# 既定。システムブラウザが開きます
crowi login https://wiki.example.com
# 2. デバイス認可グラント (headless / SSH 用。ブラウザ非検出時は自動選択)
crowi login --device https://wiki.example.com
# 3. 事前に発行した個人アクセストークンを直接保存 (OAuth 往復なし)
crowi login --token <pat> https://wiki.example.com個人アクセストークンは 設定 → パスワード/APIトークン/アカウント連携 から、 スコープと有効期限を指定して発行します (アカウントとセキュリティ)。
ログイン状態は crowi whoami で確認できます (サインイン中のユーザーと
有効なスコープを表示)。crowi logout でトークンを失効・削除します。
スコープ
既定のスコープは pages:read pages:write です。これでページの
読み取り / 書き込み / リネーム / 削除 / ウォッチ、および whoami をカバー
します。コメント・添付・ブックマークを扱うコマンドは、ログイン時に
それぞれのスコープを追加します。どのコマンドに何が必要かは
crowi CLI のコマンド表を参照してください。
--scope は 既定を上書き します。ページ系も使い続けるなら
pages:read pages:write も含めて列挙するか、すべての対象をまとめて指定する read write を要求
してください (サーバ側が発行可能な全 *:read / *:write に展開します)。
crowi login https://wiki.example.com --scope "pages:read pages:write comments:read comments:write"
crowi login https://wiki.example.com --scope "read write" # 発行可能な全権限--scope はリクエスト送信前に サーバの発行可能カタログと照合 されるため、
タイプミスや、そもそも発行できない管理者向けスコープは即座に弾かれます。
管理者向けスコープを必要とする CLI コマンドはありません。
スコープが足りないコマンドを実行したとき
CLI は事前にチェックせず、そのまま API を呼び出します。スコープが不足して
いると、サーバが 403 INSUFFICIENT_SCOPE を返し、CLI はそれを対処方法の分かる
ヒントに変換して非ゼロ終了 (コード 3) します。
$ crowi comment add /onboarding -m "looks good"
crowi: your token lacks the required scope — re-login granting it: `crowi login --scope "comments:write"`クラッシュしたり黙って失敗したりせず、「どのスコープが要るか」と「どう再ログインするか」を 示して終了します。
プロファイル (マルチエンドポイント / マルチアカウント)
複数の Crowi サーバ・アカウントを名前付きプロファイルで併用できます
(gh / kubectl の context と同じ考え方です)。トークンはエンドポイント単位で
保存されます。
-p, --profile <alias> はどのコマンドでも、コマンド名の 前後どちらにも
置けます。コマンド名より後ろに置く場合は、<url> のような引数の前後どちら
でも構いません (--profile は login の位置引数とは独立したオプションです)。両方に
指定した場合はコマンド名以降 (コマンド側) の指定が優先されます。
# コマンド名の後、引数の後ろ (自然な語順)
crowi login https://wiki.almoha.net --profile almoha
crowi login https://strk-wiki.example.com --profile p2b
# コマンド名の後、引数の前でも同じ意味
crowi login --profile almoha https://wiki.almoha.net
# コマンド名の前 (従来の global option としての書き方)
crowi --profile almoha search "release notes"
crowi profiles # 設定済みプロファイル一覧 (ローカル。通信なし)
# 両方に指定した場合は new が使われる (コマンド側が優先)
crowi --profile old login https://wiki.example.com --profile new有効なプロファイルは --url / --token → --profile / $CROWI_PROFILE →
保存された current プロファイルの順で解決されます。
current プロファイルの切り替え
--profile を毎回指定したくない場合は、crowi profiles use <alias> で
current プロファイル (--profile 未指定時の既定) を切り替えられます。
crowi profiles use almoha
crowi search "release notes" # --profile なしで almoha に対して実行される存在しない alias を指定すると、設定ファイルを変更せずに
crowi: no such profile: <alias> を stderr へ出力し、終了コード 4 で
終了します。crowi profiles の一覧表示では、切り替え方法のヒントが stderr
に表示されます (--quiet で抑止可能。--json の出力形には影響しません)。
コマンド一覧
サブコマンド・固有のフラグ・必要なスコープの一覧は crowi CLI にあります。引数はリクエストの送信前に対応する API リクエストスキーマで検証されるため、不正な path などは往復せずローカルで 明確なエラーになります。
最近更新されたページを探す (recent)
検索語がなくても、閲覧できるページを最終更新の新しい順に一覧できます。1 行は更新イベントではなくページの現在の状態です。
crowi recent --limit 20 --json
crowi recent --prefix /team/ --limit 20 --offset 20一覧はライブなので、--offset で順に取得する間にページが更新されると重複や取りこぼしが起こり得ます。--prefix は path_prefix に対応したサーバが必要で、適用を確認できない場合は一覧を出さずに失敗します。引数と列の詳細は crowi CLI か crowi recent --help を見てください。
artifact ページを書く (--type)
create / update は --type markdown または --type artifact でページの種別を宣言できます。省略するとサーバの既定に従い、create は markdown のページになり、update は現在の種別をそのまま保ちます。--type を省略した update が artifact ページを markdown に戻すことはありません。いずれの場合も種別は --file の拡張子や本文の中身から推測されません。--type artifact を指定するときの本文は、単一の自己完結した HTML 文書である必要があります。具体的には、外部の script / stylesheet / image / module を参照せず、リソースを指す相対パスも使わず、バイナリは data: URI で埋め込みます。禁止されるのはリソース参照の相対パスだけで、他の wiki ページへのリンクは別です (次節)。
artifact から wiki ページへリンクする
HTML の a[href] / area[href] に wiki ページのパスを書けます。基準は artifact 自身のページのパスで、解決は兄弟基準です (末尾に / が付いたページ名でも同じです)。例として /team/artifact に置いたページからは次のように解決されます。
| 書き方 | 移動先 |
|---|---|
/team/guide | /team/guide (ルートからの絶対パス) |
./guide / guide | /team/guide |
../guide#overview | /guide の #overview |
./ | /team/ |
areaは対応する画像地図として書きます。img[usemap]には同一文書の#名前だけを書けます。- ページ名の空白は、そのまま・
+・%20のどれでも書けます。ページ名に含まれる%は%25と書きます (100%25doneはページ100%doneに解決されます)。%に続く 2 桁の 16 進数が作れない100%done/100%off/%ZZ/%2G/ 末尾の%は保存時に拒否されます。 :を含むページ名は、/team/section:1か./section:1と書きます。section:1のように先頭がscheme:に見える相対表記は URL と区別できないため拒否されます。- ページのパスには
?(query) を付けられません。/guide?edit=1は保存時に拒否されます。?を禁じるのはページのパス部分だけで、/guide#what?nextのように fragment の中の?は fragment の一部です。#sectionは artifact 内の移動のままで、/page#sectionは移動先ページの fragment を指します。同じ文書内のリンクは#idと書き、#だけや#a?bは拒否されます。#section%のような fragment だけのリンクは従来どおり保存でき、fragment にページ名の%25の規則は流用されません。 - 外部 URL (
https:/mailto:/tel:///host/...のような protocol-relative URL) はリンクにできません。hrefを外してアドレスを本文のテキストとして残します。同じ wiki の完全 URL や protocol-relative URL は/team/guideのようなページのパスに直します。//で始まる値は protocol-relative URL として扱うので、//example.com/guideを/example.com/guideに直してはいけません。:を含むページ名に./を付けるのは、そのページが実在するときだけです。 - システム用の経路 (
/admin//api//loginなど)、/_で始まる経路、/user(一覧)、ページ ID だけの経路への絶対リンクは、保存時に拒否されます。<wiki origin>/<page id>の完全 URL も、/<page id>の形も使えません。相対リンクは保存時には字句だけを検査し、リンクが押されたときに親がページの位置から解決します。たとえば../adminは/team/artifactからは/adminになって移動せず、/team/sub/artifactからは/team/adminになって移動します。
<map name="m"><area href="guide" shape="rect" coords="0,0,80,80"></map>
<img src="data:image/png;base64,..." usemap="#m">読者が artifact 内で通常のクリックや Enter でリンクを操作すると、wiki の画面が同じタブでそのページへ移動します。cmd / ctrl を押しながらのクリックと target="_blank" は新しいタブで開き、新しいタブから元のページを操作することはできません。ブラウザがポップアップを拒否した場合、同じタブへの置き換えや再試行はしません。中クリック・右クリック・Shift / Alt・download・_top / _parent / 名前付き target は何も起きません。
この移動は artifact の中で本当に操作があったときだけ行われます。ページを開いただけの時点や、コメント欄などページ側の入力欄を操作している間に artifact が移動を要求しても、移動しません。ページを開いた直後や、ページ側で操作した直後 (Tab で artifact に移った直後を含む) に artifact 内のリンクを操作したときは、すぐには移動せず、artifact の下に移動先のページパスを示す確認表示が出て、そのボタンを押したときだけ移動します。移動先は wiki 側が検査して閲覧権限のあるページだけを開くので、リンクが新しい閲覧権限を与えることはありません。存在しないページへのリンクを開いてもページは作られず、通常の「ページを作成」の表示になります。
作者のスクリプトがクリックをあとからキャンセルしても、すでに wiki へ送られた移動を取り消すことはできません。リンクを「押したら何かを開閉する」ようなトリガーとして使わないでください。保証の対象は、保存本文に書かれた静的な a / area に限ります。それらは配信時に差し込まれるガードスクリプトよりあとに解析されるため、描画された時点から介入が有効で、リンク操作で artifact 自身が別 URL に遷移することはありません。ガードより前に実行される作者の head 内スクリプトが生成したリンクや、作者のスクリプトによる frame 自身の遷移は保証の外です。配信 URL を単独のタブで開いたときは、wiki へのリンクは何も起きません。
edit は artifact ページでも markdown ページと同じように使えます。.md ではなく .html の一時ファイルを開く (エディタのシンタックスハイライトが本文に合う) だけで、保存時にページの種別が変わることはありません。
外部の stylesheet は使えませんが、管理者が Web フォントを許可している wiki では Google Fonts の stylesheet だけは使え、許可されていなければ FONT_REFERENCE_FORBIDDEN で拒否されます。
artifact の書き込みが拒否されると終了コード 6 (invalid) になり、サーバの固定メッセージに規則の識別子と理由が付いて表示されます。リンクやリソースの問題には診断コードも付きます。--json や --quiet を付けても拒否の表示は同じ stderr に出て、stdout には何も出力されません。
$ crowi create /demo --type artifact --file page.html
crowi: Query strings are not allowed in wiki page links; use a page path such as /guide or /guide#overview. (AI-R11 / EXTERNAL_REFERENCE) [diagnostic: PAGE_LINK_QUERY]
target: a[href]target は要素や属性の名前で、本文中の一意な位置ではありません。同じ a[href] が複数あるときは自分の本文と規則を照らし合わせてください。表示には拒否された値や HTML の断片は含まれません。直し方は MCP ガイド の診断コードの表にまとめてあります。外部 URL は href を外して本文のテキストにし、同じ wiki の URL はページのパスに直し、? は取り除き、ページ名の % は %25 と書き、リソースは許可された位置の data: URI に埋め込み、@import は URL ではなく規則ごと除きます。
過去に保存できた予約された経路へのリンクを含む版を、web の「この版に戻す」や crowi_revert_to_revision で復元しようとすると、同じ検査で 400 になることがあります。保存済みの本文や表示は書き換えません。MCP または CLI でその版の本文を取得して HTML の問題を直し、現在版の revision_id を取得して、その ID を付けて update で保存します。CLI の場合は crowi get <path> --revision <id> で過去版の本文を、crowi get <path> --json で現在版の revisionId を取得できます。MCP では crowi_get_revision で過去版の本文を取得し、crowi_get_page で現在版の revision_id を取得してから、その ID を付けて crowi_update_page を呼びます。過去版の revision_id をそのまま渡すと 409 になります。
edit の競合 (409)
edit / update はページの revision_id を送って楽観ロックします。編集中に
ページが他で更新されると、書き込みは 既定で中断 され、終了コード 5
(conflict) を返します。黙って上書きはしません。新しいリビジョンを上書き
したい場合は --force を付けて再実行してください。
添付ファイルのダウンロード
attach list <path-or-id> は各行の先頭に添付 ID を出します。その ID を attach download に渡すとバイト列が取り出せます。
crowi attach list /docs/spec
# 6650f0c1a2b3c4d5e6f70123 design.pdf /api/attachments/6650f0c1a2b3c4d5e6f70123
crowi attach download 6650f0c1a2b3c4d5e6f70123 -o design.pdf
crowi attach download 6650f0c1a2b3c4d5e6f70123 > design.pdf # -o 省略時は stdout-o を省略すると stdout に書き出します (端末に直接出力しようとした場合はバイナリで表示が壊れるため拒否します)。進捗や確認メッセージは stderr に出るので、リダイレクトやパイプにバイナリ以外が混ざることはありません。
ページに埋め込まれた画像の配信経路 (<img> が読む URL) は、添付が見つからないときにプレースホルダ画像を 200 で返します。ブラウザでは壊れた画像を出さずに済みますが、ファイルを取り出す用途では「中身のない画像を正常にダウンロードした」ことになってしまいます。attach download は専用の経路を使い、レコードが無い場合もストレージ上の実体が無い場合も 404 (終了コード 4) を返します。保存されたファイルは常に本物です。
添付ファイルのアップロード
attach add <path-or-id> <file> は、送信する前に、サーバへ「何を受け付けるか」を問い合わせます (GET /api/attachments/upload-policy)。サーバが答えるのは、受理する MIME タイプの一覧・拡張子から MIME への対応表・経路ごとのサイズ上限です。CLI はこれを 2 つの用途に使います。ファイル名の拡張子から宣言する Content-Type を決めることと、通らないと分かっているアップロードを送信前に手元で弾くことです。大きなファイルを送りきってから 413 を受け取る、という往復が無くなります。
手元で弾かれたときは終了コード 6 (invalid) で、理由が stderr に出ます。
upload rejected: video.mkv has type application/octet-stream, which this server does not accept for attachments取得した policy はプロファイルに 10 分キャッシュされるので、実行のたびに往復はしません。この endpoint を持たない古いサーバは 404 を返し、CLI は同梱の拡張子テーブルに切り替えます。事前チェックが無くなるだけで、アップロード自体は従来どおり動きます。
出力フォーマットとスクリプティング
search / ls / recent は --format / --template で出力を整形でき、パイプ処理に
向きます。指定できる値と終了コードの一覧は
crowi CLI にあります。
# タブ区切りの path + score を 1 ヒット 1 行で
crowi search "release notes" --template '{{path}}\t{{score}}'
# 検索結果をそのまま取得へパイプ (get は - で stdin から path を読む)
crowi search onboarding --template '{{path}}' | head -1 | crowi get - > onboarding.md進捗・警告はすべて stderr に出るため、--json の標準出力はスクリプト用に
クリーンなままです。
シェル補完
# bash
eval "$(crowi completion bash)"
# zsh
crowi completion zsh > "${fpath[1]}/_crowi"
# fish
crowi completion fish > ~/.config/fish/completions/crowi.fishサーバとのバージョン差
Crowi は self-hosted なので、crowi と接続先サーバのバージョンがずれることがあります。CLI がそれを理由にコマンドを拒否することはありません。
サーバの API が CLI の想定と違う場合は 1 行の注意を出したうえで実行を続け、そのサーバが持たない機能 (検索バックエンド未設定時の search など) は「このサーバでは利用できません」と表示します。ただし、適用を確認できない絞り込みは例外で、crowi recent --prefix は絞り込まれていないかもしれない一覧を出す代わりに終了コード 7 で失敗します。
関連ページ
- アカウントとセキュリティ — 個人アクセストークンの発行と失効
- AI ツールから使う (MCP) — 同じトークンを AI クライアントから使う
- crowi CLI — コマンド・フラグ・終了コードの一覧